February 28,2021 ~05

―――――以下、2021年02月28に行われた”にじさんじ Anniversary Festival 2021”内、VACHSSステージの歌唱部分の感想及び実況である。

 

 

 

 私はその日、人生で一番他人のことで緊張していたと言っても過言ではない。それと同時に欣喜雀躍していたとも言える。

 

 2018年09月25日、一人のVtuberがこの世に生み落とされた。彼の名は夢追翔。デビューから約2年半、ずっと応援しているバーチャルYouTuberであり、シンガーソングライターである。

 ここで一人の愛しき人間について語り始めると広辞苑並みの文字数になってしまいそうなので、彼についての乱文を投稿する機会はまた別に・・・。

とにかく、いわゆる推しの晴れ舞台、それはもう気が気じゃないわけです。そんな思い出と様々な想い・解釈で爆散寸前の私と、彼等のステージをここに記録します。

(己の脳内備忘録なので、他人が読むことを想定していません。Please get out. これは推奨。)

 

 

 

01.ロメオ / ChroNoiR

 そもそも私が初めてVtuberという文化に触れたのは、当時ゲーマーズ1期生として既にデビューしていた叶君であり、初めてリアタイで追ったのは実はYouTubeの配信はなく、OPENREC.tvの公式企画である『ChroNoiR.tv』である。叶君と葛葉は人生で初めての”推し”という存在であり、それ故想いも強い。

 ロメオのイントロが流れ、新3Dの2人が左右から歩いてくる姿を視界に映しただけで毛玉を吐きそうになった。ちなみに曖昧は人間である。元々可愛らしい叶君のお顔が100万倍キュートになりやがっていた時点でもう。もう・・・。

 楽曲を発表する度に作品のクオリティが上がるChroNoiR、生歌も例外ではない。両者個性的な声質なのに合わさると互いを殺すことなく、殺すどころか活かし合い、そこは2人の色になる。

 そしてダンスな!!!可愛い生き物・・・王子・・・我々は姫・・・。葛葉、お前は投げキッスの振りでウィンクするな。召すぞ。

 選べませ~~~~~~ん!!!!!

 

 

02.ラストダンス / 剣持刀也

 彼のパフォーマンスは何度か観たことがある。その辺に転がっているアラサーは、世の男子高校生は格好つけたい生き物だと思っているのだが、彼はいつだって格好つけない。少なくとも格好つけているように見えない。自然体である

それは今回もそうで特に振りがあるわけではなく、きっとその時動きたいように動いてるのだろうが、それが何とも様になって格好良いのだ。彼は自分の魅せ方を理解しているように思う。配信者として、司会者として、パフォーマーとして。場面によって、カメレオンのように。

 上から目線に聞こえたら申し訳ないが、以前に比べると格段に歌がうまくなったように思う。今回のFes.は多くのライバーの歌を聴ける機会でもあったが、歌で売っていないライバーも総じて歌がうまい。逆に音痴なライバーを捜す方が難易度が高いだろう。オーディションで十八番でも歌わされているのか(そんな話は聞いたことがない)?

 ギタキャンたすからない

 

 

03.トレモロムーン / 加賀美ハヤト

「繋ぎ止めたい この声で」

「誰かに行先を委ねるくらいなら 今すぐ喉元を掻き切ってやるさ」

 「聴いて欲しい どこにいたっていいんだぜ どこにいても忘れないから」

 加賀美ハヤト~~~~~!!!!!(発作)

 きたわね、新曲。今回は作詞作曲がbuzzGさん。彼が詩を書いているわけではないが加賀美ハヤトを感じられる、超絶アツいロックチューンだった。

 彼はパフォーマンス然り、歌然り、完全に自分のモノにしているので伝わる熱量や想いも段違いだ。歌唱力は知っての通りだが、もはや巧拙の問題ではないように思う。彼の歌に抱くこの感情を文章として書き起こすのはとても難しいし野暮だろう。各々感じてくれ。

 

 

04.バッド・ダンス・ホール / 不破湊

 今回のFes.をきっかけに3D化した不破湊のお出ましだ。私はVACHSSステージで彼の3Dを初めて見た。ここ半年~1年の間にお披露目された3Dモデルは、専門分野に詳しくない我々リスナーも感じられるレベルで技術的向上が見られる(それ以前にお披露目を行ったライバーのモデルが劣っているという趣旨の発言ではないことをご理解頂きたい)。ライバー本人は勿論、リスナーが配信で見慣れている2.0がそのまま立体化した感覚だ。不破湊も例外ではない。驚いたのは彼が無料パートで登場したことだ。ステージ上で歌い、舞い踊る彼を初めて目にした不破狂は文字通り狂っただろう。

 そしてもう一つ。彼の歌は歌ってみた動画や#にじメン歌リレー(https://www.youtube.com/watch?v=DJipO-dsYGY)で聴いたことがあり「お前も歌上手いんかい・・・。」と思った記憶があるが、生歌、しかも初のライブステージのクオリティを超越していなかったか?歌唱力とライブパフォーマンス能力の高さ、魅せ方。さすが”ホスト”と言うべきか。ただただ格好良いステージングだった。

 ドンペリ!!!(最後の一文でIQが3になるのは何故かって?私も分からない。)

 

 

05.死にたくないから生きている / 夢追翔

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 このシンガーソングライター、デビューと同時に投稿したオリジナル楽曲をぶつけてきやがった。前奏が流れた瞬間、祈るように組んでいた手で口元を押さえた。

 ライブから少し話題を逸らし、この曲と私個人の関係を少し書いても良いだろうか。私の人生やパーソナルについて興味のない方はPlease get o・・・。

 

 皆さんはある特定の曲を聴くと、自分の人生の一場面がフラッシュバックする経験がおありだろうか。その観点で話をすると、実は「死にたくないから生きている」は私にとって、息をすることが苦しかった時代を想起させる曲である。それは、この曲を初めて聴いた時、つまり彼がデビューした時期に私が人生の深淵に潜り込んでいたからである。とてもまともに音楽を楽しめる精神状態ではなかった。

 『夢』や人生を歌う曲は多く存在する。全ての音楽がそこに帰結するとも言えるだろう。呪いの如く『夢』を背負って生まれた『夢追翔』。当時の私は一度聞き流し「ありふれた曲だ」と、その後暫くの間再生ボタンを押すことはなかった。一方彼は何度も「聴いてくれ。」と呼び掛けていた。

 彼は初配信(https://www.youtube.com/watch?v=58hvRtSPcGg&t=2241s)でアカペラを披露した。私が愛してやまないBUMP OF CHICKENの「ベンチとコーヒー」だった。

 

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 急に頭の悪い文章になるが、BUMP OF CHICKENを好んで聴く者に悪い人はいない。しかも選曲が「ベンチとコーヒー」・・・だと・・・。「ベンチとコーヒー」が収録されているアルバム「jupiter」は、彼等の代表曲である「天体観測」も収録されており、BUMP OF CHICKENという名を世間に知らしめたアルバムだと言っても差し支えないだろう。その中での「ベンチとコーヒー」という楽曲の存在感はそれ程強いものではない。Vo.藤原基央氏の実際の一日が詞になっていて、「俺は駄目だな。誰に唄えばいいんだろう?何を迷っているんだろう?」と独り言のように吐露する楽曲だ。そんな歌を、自分を表明しアピールする初配信という場でチョイスしたこの男・・・。「天体観測」も「ラフメイカー」も「カルマ」もあるじゃん!!おいおい、話が変わってきたぜ。

 

 私が夢追翔に興味を持った瞬間である

 

 数週間後、私は「死にたくないから生きている」を繰り返し聴いていた。

そして今、彼はステージに立ち、「死にたくないから生きている」を歌っている。本人は勿論、応援しているリスナーにとっても大切なモノになるであろう初ライブ、初ステージ。間違いなく画面の向こうに居る私達に歌っている。心に訴えかけ、叫び、伝えたいと歌っている。

  バックの映像もとても本曲リスペクトで、オリジナルMVに使われていた白い煉瓦(恐らく写真ACのフリー素材)や明朝体の歌詞表示が引き継がれており、ライブでも楽曲の雰囲気をそのままに感じることができた。個人的にサムネイルやMVをプロに外注するのではなく、夢追翔本人が作成していることが一つの味であり、ある種あの素人感こそがエモだと考えている為、ステージとして最高の形をとれたのではないかと個人的に嬉しく思った。

 

 

 彼は一人の人間である。つまり生きる成長コンテンツである。私はリアルタイムで進むドキュメンタリーを目撃している。この先彼はどのように夢を追い、その過程でどんな楽曲を生み出し、何に影響を受けどのように思想が変化し、バーチャルYouTuberとして何をゴールにするのか。人ひとりの人生を「楽しみ」「面白い」と一見軽い言葉で表現して良いものかと一瞬悩んだが、どうしようもなく本心である。

 

曖昧準2級 (@ikiteteerai1428) | Twitter

 

 

 

―――――― 06につづく。